成年後見申立てと費用

成年後見人の役割

　成年後見人とは、認知症，知的障害，精神障害などによって物事を判断する能力が不十分な方に対し、財産管理や身上監護を行います。具体的には、本人の不動産や預貯金等の財産を管理したり、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払いなどを本人の代わりに行なったりします。

申立ての流れ

　申立てには、本人（認知症，知的障害，精神障害などによって物事を判断する能力が不十分な方）の住民票上の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書および関係書類一式を提出します。
　
　申立書および関係書類一式とは、①申立書②診断書（成年後見用）③申立て手数料（１件につき８００円の収入印紙）④登記手数料（２６００円の収入印紙）⑤郵便切手⑥本人戸籍等が必要になります。詳しくは→裁判所ホームページにPDFとしてありますのでご参照願います。

　申し立人は、本人，配偶者，4親等内の親族※，成年後見人等，任意後見人，任意後見受任者，成年後見監督人等，市区町村長，検察官になります。

　※成年後見人には、親族が選任されるとは限りません。事案に応じて弁護士や司法書士等の専門職もあり得ます。

　管轄の家庭裁判所に申立てをしたら、申立人、成年後見人候補者が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます。本人の親族に後見人候補者についての意見を照会することもあります。申立ての理由、本人の経歴・病歴、財産・収支、後見人候補者の経歴などが確認されます。また、本人のケアマネさんやヘルパーさん、申立書類作成をした司法書士や弁護士も同席が可能となる場合があります。

　ご本人の判断能力、自立生活能力、財産管理能力などを確認するため、必要な場合は家庭裁判所が専門医による医学鑑定を実施します（鑑定費用は別途必要）。

　家庭裁判所は、提出書類、調査結果、鑑定結果などを審査し、後見を開始すべきか、また、後見人の選任などについて判断を行ないます。

　家庭裁判所の裁判官が申立について決定（審判）を行い、申立人と後見人に決定内容の通知「審判書」を送付します。

　通知書が送付されて２週間後に通知内容が確定し、法務局へ審判決定事項が登記されます。

成年後見人が選任されたら

　本人の生活状況の確認、金融機関への届出、後見事務の方針、財産目録及び収支予定表の作成をします。それを家庭裁判所に提出します。

※成年後見人等は財産を適切に管理する義務を負っていますので、不適切に管理が行われた場合には、解任、民事・刑事責任を問われたりすることがあります。

成年後見人の報酬

　家庭裁判所が本人の財産をもとに成年後見人の報酬を決定します。裁判所の許可なく本人の財産から報酬を受け取ることは、出来ません。

費用について

１：申立て手数料：１件につき８００円の収入印紙
２：郵送切手代：計３７００円分
３：登記手数料：２６００円の収入印紙
４：診断書作成料：病院により異なります。
５：戸籍謄本等取得実費
６：鑑定費用：必要となる場合、１０万円程度

代行する場合

相談料１時間：5000円（ご依頼いただいた場合は不要です）
申立て書類の作成費用：１０万円（必要書類取寄せ代行手数料を含みます）（財産の内容によって異なります）
家庭裁判所への同行：２万円

埼玉県さいたま市大宮区のあいだ司法書士事務所では、成年後見のご相談、申立て、ご相談を踏まえての後見人受任申立てまで一括して承っております。お気軽にお問合せください。